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『異環』が狂った?

· 約17分

作者 / ハシザイ(哈士柴)

本記事は < 靠谱編集部 > による編集です

『異環』のプロデューサーがまた燃え上がっている。

新バージョン公開前、海外プレイヤーの間で『異環』のエグゼクティブプロデューサー・楊磊(ヤン・レイ)の精神状態が一斉に心配された。理由は、拡散された一枚の画像の中で、彼がひどくやつれて見えたからだ。

実際には、これは楊磊が2025年に表彰式で撮影されたスクリーンショットで、今の姿ではない。あやまって国内プレイヤーが『異環』1.2バージョンのコンテンツ量を議論するスレッドの添付画像として使ってしまい、その「新バージョンのコンテンツ量が爆発、プロデューサーの状態を見よ」という投稿が、さらに海外プレイヤーによって翻訳・転載されたという次第だ。

この一幕は些か笑ってしまうような経緯だったが、実はこれこそ、1.2バージョンの『異環』が見せた“爆発的”コンテンツ量を巡る議論の延長線上にある話だった……。19着のファッションセットを投入し、新キャラクター、新載具に加えて、箱庭RPGゲームまで内蔵している。プレイ前に多くのプレイヤーはすでに「今年最強のコンテンツ量」「歴代二次元ゲー最大の内容量」といったコメントを寄せており、新バージョンを遊んだ後の私も、「異環、狂ってる」と一言言わざるを得ない。

狂ってる:手作りの“異環版エルデンリング”

看板娘「薄荷(ミント)」がバーバリアンに変身し、都市がワンタッチで火山の古城に変わる。新ストーリー「勇者闘赤龍」では、プレイヤーは異象テーブルゲーム「九百九十九夜」を開き、前バージョンの「朝陽島」の10倍の広さを持つ「ウォーレン大陸」に足を踏み入れる。そしてこのマップに降り立った第一印象は、これが本当に一つの完成された箱庭RPGゲームだということだった。

プレイ全体にはD&Dの要素が盛り込まれており、同時に極めてスタンダードな箱庭RPG体験でもある。主人公は四人パーティを操り、「ウォーレン大陸」の雪山、火山、湖、古城という四つの箱庭ステージを巡り、道中レベルアップしてモンスターを倒し、武器装備を拾い、鑑定を通じてバフを得る。さらに特殊効果を組み合わせて異なるビルドを構築し、最後の赤龍BOSSを撃破する。

私の体験から言えば、「ウォーレン大陸」全体の内容量は非常に充実している。マップが広いだけでなく、風景やシーンも見応え十分だ。「ウォーレン大陸」では、プレイヤーはマップ探索や戦闘だけでなく、抽選やジャンプ系アスレチック、チェスの残局解きといった偶然のイベントにも遭遇できる。マップごとに謎解きが必要な隠しステージや、救助を待つ子羊たちもいる。

子羊は「九百九十九夜」で重要な役割を果たす。彼らはプレイヤーの不要な装備を回収してゴールドに換え、高ランクの装備や重要な薬品を売ってくれる。さらには羊を雇ってBOSS戦を手伝わせることまでできる。

戦闘面では、「九百九十九夜」の戦闘ロジックは『異環』都市内のものと共通だが、“龍炎”による火攻めなどの共鳴エフェクトを特殊ビルドと組み合わせると、まさに雑草刈りのような爽快な戦闘体験が得られる。

「九百九十九夜」で私たちがすべきことの一つは、赤龍BOSSを倒す過程で、龍狩りのハンター「真紅(シンホン)」の視点に没入し、彼女の成長と変貌を感じ取ることだ。興味深いのは、「真紅」のゲーム内での立ち位置が平民であること。最後の赤龍BOSSに遭遇するまで、まともな装備にはほとんど巡り会えず、仲間が紫装備や金装備で絆を発動している間も、「真紅」は白紙状態の装備のままで、大技の龍形態もロックされたままだった。これらはすべて、最後のBOSS戦で完全なストーリーを通じてアンロックされ体験できる。

もう一方では、「九百九十九夜」で獲得した「ミステリアスボタン」トークンで「ウォーレン大陸」のスキンや染色アイテムと交換でき、ハイロットで装着して使える。

つまり設定面でも、「九百九十九夜」は唐突に独立しているわけではなく、ハイロットの「異象界域」として存在している。ファンタジーのテーブルゲームで遊んだ後は、結局都市生活に戻るのだから当然といえば当然だ。

ただし現実のテーブルゲームと同じように、「九百九十九夜」には複数の難易度があり、周回プレイにも対応している。開くたびに、都市からファンタジー異象へと転移するような感覚だ。今回は前回体験できなかったBOSSや偶然のイベントを目当てに行くこともできるし、異なる武器装備のビルドを解除しに行くことも、あるいは単にゲーム外報酬のファッション目当てにもう一週することもできる。最速クリアでも数時間を要し、完全なストーリーと戦闘内容を深く味わうには一、二日かかるかもしれない。

もちろん、雑魚敵の反復度やストーリーのテキスト量といった細かい問題では、3D卓上TRPGである「九百九十九夜」は多くの成熟したシングルプレイRPG作品には及ばない。だが、単に一つのバージョンコンテンツという位置づけで見れば、今回『異環』はテーブルゲームRPGを新しいメインコンテンツの形式として採用し、手応えのある新鮮な体験を実現しつつキャラクターの物語もきちんと描き切っており、重いコストをかけたイノベーションだと言える。

こうしたファンタジーRPGのシーンはリソースの再利用であり、あまり時間はかからない、と思う人もいるかもしれない。しかし実際には、『異環』の1.2バージョンは確実に準備万端で臨んでいた。私の知る限り、少なくともサービス開始前から準備が進められていた。

オープンベータ前のインタビューで、当時のタワー・オブ・ファンタジー(幻塔)スタジオ責任者・張御(チャン・ユー)は「チームは今後の1.2バージョンを準備中で、二次元ゲー史上かつてない新たなプレイスタイルをお届けする」と語っていた。当時の私は、それは遊園地のようなマップシーンに夏イベントを合わせたものだろうと思っていた。今から振り返れば、当時の言葉が指していたのは、まさにこのファンタジーワールド「九百九十九夜」だったのだ。

だからこそ、業界がまだ『異環』が4年かけてオープンワールド二次元ゲーを作ったことを消化している間に、そのわずか2ヶ月後に「異環版エルデンリング」を手作りした、と言う人がいるのも納得だ。

爆発的:コンテンツ量の“暴力美学”

都市に戻ると、『異環』新バージョンで更新すべき内容も一つも欠けていない。新キャラクター「真紅」とまもなく登場する「イロイ」、一部無料入手を含む合計19着のファッション、新載具、そして後続の新都市プレイ「かくれんぼ」「競売マスター」などだ。

都市体験面でも、1.2バージョンの『異環』はさらに深掘りを続けている。前バージョンがポルシェ918 Spyderとのコラボや「闇レース界」という新コンテンツでレース好き歓喜だったとすれば、今バージョンは釣り人にとっての福音と言える。

釣りプレイヤーは戦利品を車に吊るせるようになり、家に各種水槽を置いて魚を飼うこともでき、さらにはイベントで銛による漁まで可能になった。ずっと『異環』で釣りに没頭していたプレイヤーは、ほぼ全員が釣りレベルをカンスト寸前にまで上げ、竿も金色に替えている。これで新たな披露の場ができたことで、釣り人たちはコメント欄への投稿から、ゲーム内の養魚へと心を戻せるようになった。

その他の都市コンテンツもこのバージョンでさらに拡張されている。「ちびすずめ」麻雀は血流れ型の四川麻雀だけでなく「リーチ麻雀」にも対応し、「車両レース」のオンラインレースには通報機能が追加され、住宅リフォームはワンタップでブループリント化できる。こうした一連の最適化は、好みの異なるプレイヤーに合わせた調整であり続けている。

神がかってる:“安心して待てる”アフターケア

サービス開始から2ヶ月、『異環』プレイヤーは都市コンテンツに慣れてきたが、都市システムには独立したスタミナが別途あるため、日常プレイでどうしても「作業感」が生じがちだった。特に、都市コンテンツが登場してしばらく経ち新鮮味が薄れると、スタミナを消費して報酬を得るだけの日課形式に変わりがちになる。これは二次元ゲー業界共通の課題でもある。

『異環』がやったのは負担軽減とスピードアップ、つまりスタミナ消費の加速と報酬収益の向上だ。

新バージョンでは、都市活力/スタミナの二倍消費、フォンス賞など報酬の二倍獲得イベントが続いており、さらに選べるSランクキャラクターが配られ、プレイヤー全体の過渡期を加速させている。

二次元ゲーで最も重視されるキャラクターデザインにおいて、『異環』は一貫して「一キャラクター=一連の完全な体験」という収益モデルを貫いている。各限定キャラクターは都市スキルとオープンワールドメカニズムを備えており、「ナナリー」のゼロ重力、「浔(シン)」の時停止、「真紅」のオープンワールド暴走ダッシュなどがその例だ。各ガチャ池の限定キャラクターには、専用のパラグライダー、載具、キャラスキンのセットまで引き当てられる。

その土台の上に、1.2バージョンの「真紅」直販スキンは新載具との専用エフェクト組み合わせまで用意され、「九百九十九夜」まで含めれば、もはや「真紅」一人のためにゲームを一本丸ごと作ったと言える。一キャラクターへのアフターケアは、ファッションや載具エフェクトから、単独のRPGゲーム制作へと進化したのだ。

今の二次元ゲー業界では、どのゲームも全バージョンのキャラクターが満足いくもので売上を爆発させる保証は誰にもできない。この共通の苦境の中で、『異環』のキャラクターデザインの深み、メカニクスと遊びの変化は、目に見える形で顕著に向上しており、これこそ多くのプレイヤーを安心させ、期待を持ち続けさせている理由だ。

こうした「安心して待てる」アフターケアは、キャラクターだけでなくゲームのあらゆる面に表れている。

新バージョンでは、『異環』はキャラクターアイコン枠の表示を特別に最適化し、UI上でよりはっきりした枠外表示スタイルを実現した。興味深いのは、この修正が一人のプレイヤーの意見から生まれたことだ。サービス開始当初から、このプレイヤーは公式にアイコン表示の最適化を求めるコメントを続け、「ダフティル」のアイコン表示のトリミング面積が正しくないと指摘していた。

その後のバージョンで一度調整が行われた後も、このプレイヤーは「監視」を続け、ついに1.2バージョンで『異環』はアイコン表示を最適化し、トリミング位置も正しくなった。おそらく満足したのだろう、このプレイヤーはそれまでのすべてのフィードバックコメントを削除した。この一幕はプレイヤーたちから「異象消滅」と呼ばれ、「アイコン債権取立人」の異名を与えられた。

新バージョンのアイコン表示

実は、「水槽で魚を飼う」という新機能も、同様にCBT時のプレイヤー提案から生まれたものだ。オープンベータ前の発表会でプロデューサーはその場で「このフィードバックはすでに確認済みだ。モデルが異なるため制作に時間が必要で、後ほど実装する」と述べていた。

当時「水槽なのに魚を飼えない」とネタにされた動画は、今や「実証スポット」の一つになっている。

こうした事例は実は毎バージョンある。「タジド」のミュート対応、「シジ」の都市スキルを「ピンククロー大強盗」でハイライト表示、そしてこのバージョンの「ファッション染色」や「ファッションパーツ取り外し」などだ。

こうした信頼が次第に形作られていくと、コミュニティでプレイヤーのフィードバックや提案を目にするたびに、このアイデアが実装されたらどうなるだろう、と考えてしまう。そして『異環』への理解から言えば、よりありそうなのは、公式がすでに本当に作り始めている、という可能性だ。

「養魚」は実装難度が高く作れないと分析したプレイヤーがいたが、新バージョンで入ってみると本当に実装されていた

プレイヤーの信頼が脆弱になりがちな二次元ゲー環境において、『異環』プレイヤーの「安心して待てる」という感覚そのものが最大のブランド資産であり、こうした長期的な意見吸取によって積み上げられた信頼は、次第に『異環』の競争力となっている。

二次元ゲーへの新しい入り口を開く

サービス開始から2ヶ月、『異環』は多くの答えを出した。

業界内では、『異環』登場前、皆が考えていたのは「二次元ゲーでこれ以上何ができるのか?」だった。『異環』は都市オープンワールドでその答えを出した。

今、プレイヤーたちが考えているのは「都市であと何ができるのか?」だ。『異環』は「九百九十九夜」の内蔵RPGでその方向性を示した。

『異環』でプレイヤーが味わえる体験はますます多彩になっている。運転好きにはレースを、釣り好きには釣りと養魚を、麻雀好きには麻雀を追加する。プロジェクトチームは病院を脱出ゲームに、刑務所を「脱走ボクシング大会」に変え、今やテーブルゲームを開けば何日も遊べる箱庭RPGに直結するまでに進化した。

都市という土台の下で、「九百九十九夜」はその第一歩を踏み出し、異なる世界への入り口を開いた。

すでにプレイヤーたちは思いを巡らせ始めている。ファンタジーワールドの後、次のバージョンではいつの日か突然SFテーブルゲームを遊ぶことになるかもしれない。宇宙マップに入って宇宙船を操り駆け回る。载体はテーブルゲームかもしれないし、別の何かかもしれない。剣を振るい武侠世界へタイムスリップして屋根の上を駆け回り、一枚のCDで臨場感あふれるコンサートが始まり、一枚のポスターがプレイヤーを『トルーマン・ショー』の世界へ連れていく。

「完全なRPGを一つ内蔵する」ことの要点は、その実現難度にあるのではない。厳密に言えばそれほど難しくはない。しかし、多くの会社がコンテンツ量で対応可能だとしても、余力と意思を持ってやるとは限らない。二次元ゲー製品の慣例では、大型バージョン=新マップ+新キャラクター+1〜2個の期間限定イベントだからだ。通常、コンテンツ量の多さはマップの広さやファッションの多さ、あるいは期間限定イベントを箱庭オープンワールドとして用意する、といった形で現れる。

しかし『異環』のプレイの重点の一つは都市体験であり、その体験を豊かにするために、プロジェクトチームは常駐可能でリプレイ可能、成長システムを備えた内蔵RPGゲームを手作りした。ここにあるコンテンツ量の暴力美学よりも重要なのは、『異環』の都市への没入感への深い注力なのだ。

「九百九十九夜」がもたらしたのは、コンテンツ量の爆発によるプロダクト形態の次元上昇だけではない。業界がまだコンテンツ効率・内容の豊富さ・体験の負担軽減という不可能な三角を考察している間に、『異環』は「コンテンツを足すことは可能性を増やすこと」という解法を直接提示し、二次元ゲーに新しい入り口をもたらしたのだ。